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結婚式の和装

結婚式で着用される和装の種類は大きく分けて三つ。

今では和装の意味を重視するのではなく、ビジュアル志向で何を着るか選びます。似合うか、似合わないか。でも古来より伝わる和装に込められた意味があります。見た目ばかりではなく、その意味を知ることで結婚とは何か、という根幹を考えるきっかけになるかもしれません。

神前式、仏前式など日本式の結婚式でまず思い出されるのが白無垢。
今では色打掛や引き振袖も結婚式で着用する人が増えましたが、白無垢は「白打掛」とも呼び、今でも婚礼衣装として最高位のものです。白は清廉純白、相手の色に染まるように、といったような意味合いで説明されることが多いですが、本来は別の解釈があります。一般的に神前、仏前での結婚式は白無垢を着て、綿帽子をかぶります。昔は結婚式の前に綿帽子をかぶり、その下に角隠しをつけ、真っ白な無垢の打掛を着てお墓参りに行っていました。それは死んだ人が現世に帰って来ることと同じで白無垢は白装束と同じ意味合いです。その後、赤い色打掛に羽織替える時に角隠しを外します。
角は鬼。角が無くなることで生まれ変わることを意味します。色打掛の赤は血の象徴、生まれ変わりの象徴、赤ちゃんであり、本来、お色直しで赤打掛を着ることの原点です。白無垢を着ることで、自分が生まれた家では一度死に、そして新しい嫁ぎ先で生まれ変わるために赤い打掛を着る。現代と違い、女性は自分で一生の覚悟を決めて嫁いでいたのです。それが本来の日本人の心なのかもしれません。

かつらや角隠しをつける方の減少

従来、和装の際の髪型はかつらが一般的でしたが、今では洋髪スタイルも数多く見られます。
かつらは似合うか不安、恥ずかしいという声が多く、徐々に減少傾向にあります。白無垢と言えば綿帽子ですが、洋髪よりかつらに綿帽子をつけた方が形がきれいに整います。角隠しは現在、白無垢でも色打掛でも可能ですが、かつらじゃないと固定できないので、洋髪スタイルでは不可能です。かつらの減少に伴い、角隠しをする人も年々減っており、角隠しをつけられる美容師も年々減っています。ハチマキのように見えるため、特に技術が要らないように思われがちですが、かつらやかんざしとのバランスを見ながら角隠しをつけることは高い技術が必要です。

洋髪スタイルに合わせるヘアアクセ

洋髪のスタイルは多種多様で、インターネットでも無数の画像がアップされている。衣装は和装なので、それに合う洋髪が人気で、髪につけるヘアアクセは生花が人気です。ただ生花は萎れてしまう可能性があるので、フラワーショップに注文する際は長時間でも大丈夫なように仕上げてもらうように頼むのを忘れずに。
白無垢の場合は白くて大きなカサブランカや緑のピンポンマムが人気。色打掛の場合は緑や赤、白のピンポンマムやダリアの人気が高いです。料金的には生花よりアートフラワーの方が手頃で、種類も多いので、生花にこだわりが無ければアートフラワーでも十分です。自分の色打掛に合わせて花の色を選ぶと、よりきれいに見えます。

豪華絢爛な色打掛

昔は色打掛と言えば赤色でしたが、最近はピンクや青、緑に黄色に黒まで様々な色や種類があります。結婚式で和装を着る人が少なくなってきたせいで、貸衣装店、さらには和装メーカーにとっても試練の時代で、豪華絢爛な色打掛を作ることが出来なくなってきています。
織物の色打掛はどうしても製作上、コストがかかり過ぎるため、貸衣装が仕入れを控え、そのため和装メーカーも製作を控えるので、新作の数が減り、和装離れに拍車をかけるという負の連鎖が広がっています。友禅染の色打掛は多ロットの製作が不要で、1枚ずつ製作可能できるので、製作コストが安く、他店とは違うオリジナルデザインの色打掛が作れるため、今後は友禅染の色打掛がもっと増えていくように思います。もちろん友禅染だけでは豪華さを出すことが出来ないので、刺繍や金箔などでアクセントをつけて、オリジナル感や豪華さを出すことが出来ます。
最近は減りましたが、一時期は女優の藤原紀香さんの影響で十二単も人気がありました。実際、着物を12枚も着ると重過ぎて歩けないため、襟だけ12枚になっており、色打掛より少し重い程度で着ることが出来ます。十二単が希望の方はどこの衣装店でも置いているわけではないので、来店前に確認をした方が良さそうです。十二単の場合、男性の衣装は束帯になります。

和婚ブームもひと段落した感がある中、教会でウェディングドレスを着て挙げる結婚式も良いですが、寺社仏閣で白無垢や色打掛、引振袖などの和装を着て挙げる結婚式は2人にとって、いつまでも忘れられない大切な思い出になるのではないでしょうか? 特に歴史ある京都での前撮りは一生の宝物になりそうです。