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京都の和婚

バリエーションに富んだスタイルで、挙式に和の要素を取り入れる。

全国的に和を取り入れた結婚式が注目されている。バブル期以降、教会での結婚式が隆盛していたが、レストランやカフェなど和ブームに影響される形で、ウェディング業界も少し遅れる形で和ブームの波が来ている。
もちろん、以前から続く教会での結婚式も未だに人気があるが、教会でウェディングドレスを着ることに憧れる女性が減って来ていることや従来の結婚式のスタイルに飽きている人が増えてきたことが大きい理由である。
和風ウェディングと一言で言っても、何から何まで全て和風というのは、若いカップルには抵抗があるため、少し和のテイストを取り入れるスタイルが人気で、例えばホテルやゲストハウスで披露宴は行うが、結婚式は神社で行ったり、チャペルで式は挙げるが、披露宴をする会場が和風を取り入れたモダンな会場であったりといろんなシチュエーションがあり、自分の好みやスタイルに合わせて自由に選ぶことが出来る。

「和婚」は、一つのウェディングのスタイルとして定着

日本人は元々キリスト教を信仰する人が少ないのに、なぜか結婚式はキリスト教式が多いという、世界中を見ても特殊なウェディングスタイルが受け入れられ、それは宗教的な意味合いでキリスト教式の結婚式を望んでるわけでなく、教会でウェディングドレスを着るというあくまでファッション的、ビジュアル的に好まれているだけなので、無信仰の人が多い日本人には抵抗なく受け入れられた形である。
ただ、趣味嗜好が多種多様化する現代において、それに違和感を覚える人も少なくなく、人とは違うことがしたい人や和テイスト、和モダンが好きな人にとっては、和スタイルのウェディング、神社での結婚式はごく自然な選択である。 特に京都は有名神社が多く、普段から観光都市として日本はもとより、世界各国から観光都市として注目されているため、他府県に比べ、神社で挙式をするカップルが多い。
結婚するカップルの地元が離れているため、間を取って京都で結婚式を挙げるパターンやどちらかの実家が京都のパターン、または学生時代、京都に住んでいた、職場が京都だったなど、何かしら京都に縁があるならまだわかるが、京都に全く縁もゆかりもなく、ただ京都が好きだからという理由だけで京都の神社で結婚式を挙げるカップルも年々増加傾向にある。以前ほどの過熱感は無いが、ブームとして括れない、もはや一つのウェディングのスタイルとして、和婚は定着しつつあるのかもしれない。

和の要素を取り入れた「人前式」

和婚といえば神社での神前式、お寺での仏前式のイメージがあるが、人前式でも和の要素を取り入れば和婚である。新郎は紋付袴、新婦は白無垢や色打掛、または引き振袖を着れば、それだけで十分かもしれないが、それだけだとゲストにとっても面白みがないので、人前式で和テイストを入れるケースが多い。
一番簡単なのが、指輪の交換で使うリングピローを縮緬の生地や竹などの素材を使うと、和テイストが出る。手作りするのがベストだが、最近では苔を使ったものや盆栽風のものなど凝ったものが販売されているので、それを使っても良い。人前式の内容ではお水合わせの儀が一番人気である。新郎新婦お互いの地元の水をそれぞれ用意し、それぞれの盃やお猪口にお互いの水を入れ、一気に飲み干す。水は全ての生命の基本であり、その大切な水が育ててくれたお互いの地元の水を混ぜ合わせ、体に取り込むことで、これからの結婚生活を共にしていくという決意のような意味がある。お水でないといけないことはなく、お酒が好きならお酒でも良い。神前式や仏前式とは異なり、人前式なので、自分たちらしい内容にすれば良いのである。
他にはダルマの目入れも人気があるセレモニーである。水合わせと違い、それほど意味はないかもしれないが、願いが叶ったという成就的な意味合いとして、また参列のゲストにとってもユニークなセレモニーとして取り入れることが多い。通常、結婚式のラストを締めくくるものと言えばフラワーシャワーをイメージする人が少なくないと思うが、和婚の人前式の場合、一番多いのが折鶴シャワーである。新郎新婦が結婚式に向けて一羽一羽折っていくのは大変な作業だが、忙しい時間をぬって2人で折ることに意味があり、ゲストにもその思いが伝わるのかもしれない。
折鶴シャワー以外ではライスシャワーも人気がある。
ライスシャワーは日本では古くからあるそうで、お米には元来、塩と同じく、魔除けの意味があり、新郎新婦の厄を払う意味で行われていたそうである。人前式は自分たちらしく、というのが一番大切なことで形にとらわれないことが重要である。その選択肢の中に和婚があり、和のテイストをどう取り入れるか、楽しみながら結婚式の計画を立てれば良い。はじめての結婚式で、何から決めればよいか全く分からないのは当たり前のことで、そのためにウェディングプランナーがいるので、不安な人はウェディングプロデュース会社に相談するのも良い。

和婚ブームの後、次に台頭してきたのが家族婚である。

東日本大震災後、家族や友人との絆が改めて見直され、日本全体が人の温かみや絆の大切さを再認識し、その世相を反映する形としてアットホームなウェディングとして、家族婚が注目を浴びている。ただ、家族婚というのはあくまでビジュアルではなく、内容にスポットをあてたスタイルなので、ピークが過ぎた感があるが、和婚は家族婚と共存できるスタイルである。
これからは和婚をどう取り入れるか、その取り入れ方がますます多種多様になっていくのではないだろうか?